クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

帰ってきたクラカメ、コンテッサ。

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。クラシックカメラを趣味にしたら、この機種はハズせないっていう定番が気になるものなんだけど、コンテッサもそのひとつだよね。伯爵夫人という名前もいいし、精密でスタイルもいい。でも、この商売を初めて2度も返されてるんだ。

最初は20年前。お客さんが相談があるって店にやってきて、買ったコンテッサを別のと交換したいって言うんだよ。理由を聞いたら「私はクラシックカメラ道をやっている者です。この道、数あまたのカメラを手にするうちにコレダ!という機種にたどり着くものと思っていたら、まさにコンテッサがそうだった。これでは途中の楽しみがなくなる」って言うんだよ。しょうがないからフランスのFOCAってカメラと交換してあげたの。そしたらしばらくして店にきてくれてね、喜々として「まだまだ先は長いという感じです。今度はどんなカメラにしようか考え中です」だって(笑)。

その次は7年前。買っていったコンテッサを持ってきて「このカメラは写りすぎるからイヤだ。別のと取り替えてくれ」って言うんだよ。まったくすごい理論だよね。まあ、言ってることは判るから、そのときはライカの交換レンズ、ズマリットと取り替えてあげたんだけどね。

いずれにせよコンテッサって、折りたたみ式の35ミリ判カメラの中では一番良く写るのは間違いないね。「写真トハ、此ノ様ニ写ルモノダ」って、製造したツアイスに言われてる様な気がする。だからコンテッサをコレクションの初期に手に入れてしまうと、あのカメラってどんな風に写るんだろう? みたいな未知のカメラへの妄想が消えちゃうんだよ。

いきなりコンテッサで「クラカメすごろく」を上がりにするのはもったいない。という人には、フランスのFOCA、ハンガリーのモメッタ、イタリアのコンドル、ドイツならフツーラなんかがオススメだね。それぞれが、これこそクラカメって感じの写りをするカメラですよ。

コンテッサ
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