クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

フランスの一つ目巨人、ル・シクロープ。

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は、ちょっと変わったフランスのカメラを紹介します。その名はル・シクロープ。英語だとサイクロプスと発音する、ギリシア神話に出てくる単眼の巨人のことですね。頭のところに一つ目っぽくレンズがあって、図体もでかい。

フィルムは120タイプのブローニで6×9判。

ALSAPHOT ル・シクロープ
ALSAPHOT ル・シクロープ

それにしても、変なカタチだよね。このカメラを作ったフランスのアルザフォトは、ダサスっていうあまり格好の良くない沈胴式のカメラとか、ビオフレックスっていう身体に良さそうな名前の二眼レフとか、発売当初は世界で最も小さな35ミリ判カメラと言われたメモックスなんかを出していた。それと、たった一台しか販売しなかったアルザフレックスという幻のカメラも作った。いろいろカメラを作っていたんだけど、なぜかそのどれもが蛇腹を使っていない。

ル・シクロープの光路図
ル・シクロープ の光路図】

だから、6×9判の大きなカメラを作るにしても、どぉしても蛇腹が使いたくなかったんだとしか思えないんだよね。でも、そのままレンズを固定したら前に長くとび出しちゃう。それなら光路を折り畳めばいいじゃないかって、カメラの中にミラーを2枚仕込んで、2クッションさせた画像をフィルムにもっていってるんだ。まったく、フランス人の考えることは良くわからないよね。

2回しか反射させていないからフィルムには左右が逆の画像が届く。だからプリントする時はネガなりポジなりをひっくり返して“裏焼き”にしてやらないと看板なんかみんな鏡文字になっちゃうんですよ。まぁ、フィルムをひっくり返せばいいだけの話しだけどね。

ル・シクロープ ケース付き 整備済み 357,000円
ル・シクロープ ケース付き 整備済み 357,000円】

レンズはフランス産で、ボワイエ社のサフィール。このメーカーは他にトパーズっていうレンズも出しているけど、どちらも甘いレンズです。ル・シクロープを作ったアルザフォトのロゴにはコウノトリが使われていて、レンズには宝石の名前…。困ったね。コウノトリのエンブレムがしっかり残った革ケース付きの奇麗なもの、いまならあります。

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