クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

マガジン交換式カメラ

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回は35ミリ判のフィルムを使うマガジン交換式のカメラについて。ハッセルとかマミヤなんかの中判カメラには撮影途中でフィルムを交換できるマガジン交換式のモデルが沢山あるけれど、それと同じようなことを35ミリ判でもできるようにしたカメラがあるんですよ。

ADOX 300
ADOX 300

これはドイツのアドックスが作ったマガジン交換式のアドックス300というカメラで、レンズはシュナイダーのクセナー、シャッターはコンパーラピッド、露出計も内蔵されていてフィルムの巻き上げはレンズの根元にあるレバーを押し下げるという一風変わった仕組み。

ADOX 300 交換マガジン付き 64.800円
ADOX 300 交換マガジン付き 64.800円

で、カメラの中にもうひとつカメラみたいなものが収まっていて、これはフィルムを全部撮りきらなくても途中で交換できる。何でそんなことをしているのかと言えば、昔はカラーフィルムって高かったんですよ。このアドックス300が発売されたのは1957年だけど、それよりずっと後になってもカラーフィルムのプリント1枚100円はしていたし、それにフィルム代も入れると感覚的には月給の1/3とか1/4が消えちゃう。白黒ならもうすこし安上がりだったから、ココ一番というところでマガジンを交換してカラー撮影する。みたいなことがこのカメラならできるんです。

マミヤマガジン35 交換マガジン付き 64.800円
マミヤマガジン35 交換マガジン付き 64.800円

日本のマミヤもマガジン交換式のカメラを作っていた。1957年の発売なので時期的にもアドックスと同時。このカメラ、いい面構えしてると思います。マミヤマガジンはカメラの中にマガジンが入る。というのではなくてカメラ部分とマガジンが独立したパーツとしてあって、それぞれが合体するとカメラのカタチになるという仕組み。

マミヤマガジン35 分離したところ
マミヤマガジン35 分離したところ

こんな感じにね、レンズとかファインダーとか巻き上げレバーなんかがT字型のユニットになっていて、マガジンと合体するんですよ。マガジンは脱着のノブを操作すると金属製の遮光板がフィルム面をカバーする巧妙な仕掛けになってる。これからフィルムや現像の値段が上がっていったら、その価値が見直されるかもしれないカメラですよ。

コダックエクトラ 交換マガジン付き 237.600円
コダックエクトラ 交換マガジン付き 237.600円

で、アドックスやマミヤよりずっと前の1941年にコダックが出したフラッグシップ機のエクトラもマガジン交換式だった。ウチで売っているエクトラは交換マガジン付きだけど、エクトラに限ってはマガジン交換するとボディとマガジンの相性が悪くて故障することがあるから、交換して何がおきても知らないよと言っておきます。その点アドックスやマミヤだったらマガジン交換しても壊れることはないので安心ですよ。

店内のご案内

今月のひとこと

お知らせ