クラシックカメラ 今月の「ひとこと」

クラインビルトカメラの夜明け

どうも。店主の早田清(はやたきよし)です。今回のカメラは、ライカが登場したのと同時期に出た、フルサイズのレンズシャッター搭載機を紹介しようと思います。ライカは映画用のフィルムを使って、映画の2コマぶんを1フレームとして撮影するよね。この手のカメラはライカをはじめ1930年代の初頭に売り出されて、クラインビルトカメラって呼ばれてました。ドイツ語で小さい画像のカメラという意味だね。

バイラ1型
バイラ1型

前回に紹介したコンパーライカにそっくりなこのカメラは、ドイツはドレスデン郊外のフライタールで作られたバイラ1型。1930年の発売だから、ライカA型とほぼ同時期だね。ライカと同じように映画用のフィルムを使う。シャッターはコンパーだね。

バイラ1型 整備済み10万8千円
バイラ1型
整備済み10万8千円

なんか、コンパーライカそっくりだよね。でもライカを真似したんじゃなくて、映画用フィルムを使って小型カメラを作ろうとしたらこうなったという気がする。ピントは目測なので、距離計が欲しくなるよね。

バイラ2型
バイラ2型

そんなワケで、撮影用のレンズと一緒に単眼鏡がせり出していってピント合わせができてしまう機能をつけたのがバイラ2型。ちょっと面白い格好をしているよね。

バイラ2型の背面
バイラ2型の背面

大きな覗き窓が単眼鏡のアイピースで、こっちでピント合わせしてから隣の小さな覗き窓を見て撮影フレームを決める。

バイラ2型 整備済み21万6千円
バイラ2型
整備済み21万6千円

これはもうコンパーライカとは明らかに違うカメラになっているよね。撮影は専用のマガジンに映画用フィルムを詰めて使う。だから撮影フォーマットのアイデアとしてはライカと同じだね。

フルサイズの撮影画面
フルサイズの撮影画面

さて、上下ひっくり返しているけれど、ライカと同じフルサイズの撮影画面を持っているのが見えるこのカメラは何でしょう? ヒントは映画用フィルムを使って撮影して、連動距離計が付いていて、レンズはシュナイダーのクセノン。ピント合わせは右手のノブを操作すると蛇腹が繰り出される仕組み。作られたのはドイツのシュトゥットガルトで発売されたのは1934年だね。

ペギー2型 整備済み 32万4千円
ペギー2型
整備済み 32万4千円

答えは、クラウスのペギー2型。ペギー1型に距離計を載せたのが2型で、ブラックペイントのモデルの方が多いのでクローム仕上げはかなりレア。工作精度も仕上げも良く出来ていて、大好きなカメラですよ。

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